Yoshihiro Morishita

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森下義弘
エラストマー事業部
マーケティング担当

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電気・電子用途

電気・電子産業は世界最大の産業分野のひとつです。この産業では、電気エネルギーの生成、供給、貯蔵、利用に関わる製品の製造、開発が行われています。熱可塑性エラストマー(ThermoPlastic Elastomer, TPE)のリーディングカンパニーであるクラレのスチレン系ブロック共重合体〈セプトン®〉、〈ハイブラー®〉や、〈クラレ液状ゴム〉は、同産業で広く利用されています。

クラレのエラストマー製品には、電気・電子産業の高い安全基準、品質基準を満たすことが可能ないくつかの銘柄があります。高い絶縁性と柔軟性が特長で、5G技術用のケーブルはこれら素材の重要な用途として挙げられます。さらに、パーソナルエレクトロニクス分野の製品製造にも利用可能です。

TPEを使った技術が、日常生活を豊かにすることに役立っています。一例として〈セプトン〉は、5G通信用のケーブルや小型電子機器に使用されています。

電気・電子産業での使用

電気・電子産業向けのクラレの素材は、低温・高温下での柔軟性や操作性といった製品性能を向上させます。また、柔軟で熱可塑性であるクラレのエラストマーを使用することで、可塑剤や揮発性有機化合物(VOC)の削減が可能になります。

クラレが提供する素材の電気・電子産業での使用例を以下にご紹介します。その他の用途については、お気軽にお問い合わせください

ケーブルでの使用

自動運転車、スマート工場、新しい通信技術など、あらゆる場面において、5G規格は革新の道を開きます。クラレは世界有数の素材メーカーとして、革新的な素材を武器に、高度な5G技術の開発を支えています。

光ファイバー網は、5Gネットワークの拡大において重要な役割を担います。電波塔と基地局の地下接続においては、極めて低い信号損失が求められ、最新の自動車分野では、センサーと電子制御ユニットの通信接続を担っています。この繊細なケーブルアセンブリを過酷な環境下で保護するためには、耐久性の優れるケーシングが必要とされます。

高機能エラストマー〈セプトン〉Q-シリーズは、特に優れた耐引掻き性と耐摩耗性を備え、被覆材として繊細な光ファイバーをしっかりと保護します。〈セプトン〉Q-シリーズをベースポリマーとしたコンパウンドは、低温から高温、また、高湿度などの環境下でも弾性力を維持し、従来使用されてきたTPUやTPCなどの素材に比べてはるかに軽量で丈夫です。さらに、5Gネットワークでの安全かつ安定したデータ伝送や、最新の自動車や通信機器の高速伝送部品に適した、非常に優れた絶縁特性を有します。

〈セプトン〉Q-シリーズは、共押出成形やフィルム成形にも適用できます。また、ポリメチルメタクリレート(PMMA)との組み合わせも効果的です。この2つの材料の複合体は、非常に微細で均一な構造、優れた特性を有します。〈セプトン〉Q-シリーズとPMMAを組み合わせたフィルムは、TPUフィルムと比べて、優れたヒステリシスロス、伸縮性を示し、引掻き硬度試験やピンホール試験においても優れた性能を発揮します。また、ポリオレフィンへの接着性が優れるため、この素材は、例えば電子産業におけるハウジングやケーシングなどのポリオレフィンとの二色成形を施す用途にも適しています。

〈セプトン〉Q-シリーズは、PMMAやポリオレフィンなどのポリマーとの組み合わせが可能なため、電子産業の多くの用途に適しています。また、その優れた機械的・電気的特性は耐久性の問われる光ケーブルの製造に適しています。

〈セプトン〉Q-シリーズは、〈セプトン〉シリーズの一つです。〈セプトン〉は、スチレン系の熱可塑性エラストマーであり、スチレン系ハードブロックと水添ポリジエン系ソフトブロックで構成されています。この水添ジブロック-トリブロックのスチレン系共重合体は、広い温度範囲でゴムのような特性を示します。熱可塑性であるため、〈セプトン〉はリサイクルが可能です。

〈セプトン〉は、ゲルの製造においても好適です。熱可塑性ゲルは、産業用ケーブルの充填など、さまざまな用途で使用されています。狭い分子量分布、低い溶融粘度、良好な低温特性、といった特性により加工がし易く、柔軟なゲルコンパウンドが得られます。

クラレの熱可塑性エラストマー〈セプトン〉1000-シリーズは、SEP(polyStyrene-polyEthylene/Propylene ジブロック)構造により、鉱物油の粘度調整剤として機能します。また、熱安定性が高く、低温特性にも優れていることから、増粘剤、粘度指数向上剤としての利用に適しています。〈セプトン〉1000-シリーズの主な用途は、化粧品、接着剤、透明シーラント、自動車製品、そして、通信ケーブルや光ファイバーなどの内部に充填するチクソトロピー性充填剤があります。5Gやその他通信分野全般で安全で安定した通信性能を確保するためには通信ケーブルの保護が重要です。チクソトロピー性充填剤は、電話線や光ファイバーなどの空隙を埋め、外部からの衝撃や水の浸入を防ぎ、ケーブルの保護において重要な役割を担っています。

また、〈クラレ液状ゴム〉の各種グレードを架橋助剤として使用することで、性能を向上させることもできます。〈クラレ液状ゴム〉を過酸化物架橋EPDMゴムに配合することで、硬度、圧縮永久歪み、加工性を改善可能です。また、基材のゴムとの共架橋が可能なため、可塑剤の移行が少なく、またVOCが低減できることが特長です。中・高電圧の絶縁電線・ケーブル、高分子絶縁体などに適用可能性があります。

〈セプトン〉Q-シリーズは、TPUの代替として、5G通信を支えるケーブル絶縁材に利用可能です。
スチレン系ブロック共重合体を、電線の被覆材やケーブル充填剤として使用することで、ケーブルの性能を向上させることができます。

パーソナルエレクトロニクス

クラレの製品はパーソナルエレクトロニクス分野にも適しています。TPEは、スマートウォッチやフィットネストラッカー、センサーのリストバンドといった製品に使用されます。この用途においては特に〈セプトン〉の中でも〈セプトン〉2000-シリーズ、〈セプトン〉4000-シリーズ、〈セプトン〉BIO-シリーズが好適です。肌馴染みの良さと心地よい着用感を実現します。また、耐久性、耐薬品性、機械的強度、耐摩耗性、耐UV性にも優れています。

〈セプトン〉は、その耐久性と心地よい手触りでスマートウォッチのストラップに好適な素材です。

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