オイル改質におけるポリマー
樹脂はオイル改質において決定的な役割を果たします。樹脂で作られたオイルゲルは、工業用途、日用品の様々な用途に使用されています。化粧品添加剤や粘度指数向上剤として鉱物油の粘度を改質し、通信ケーブルに水が浸入するのを防いだり、石油・ガス産業での円滑な掘削作業などに貢献しています。
クラレは世界有数の樹脂メーカーとして、オイル改質用の高性能水添スチレンブロック共重合体(HSBC)、〈クラレ液状ゴム〉、〈イソバン®〉などを介し、市場における様々な要望にお応えしています。高規格品、高分子量品、機能性品などに最適な特性により、オイルゲルの性能を大幅に向上させることができます。
使用例
- 粘度指数向上剤(VII)、増粘剤
- 化粧品
- 5G、電気通信
- 掘削液
- 離型剤
オイル改質の使用例
クラレのHSBCや液状ゴムは、耐久性、安全性、配合の多様性、混合の容易さなどから製品性能を向上させます。
ここでは、クラレのオイル改質用素材の使用例をご紹介します。ご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
粘度指数向上剤(VII)、増粘剤
粘度指数向上剤は、潤滑油や化粧品用オイルに添加することで、増粘させるだけではなく、高温・低温で粘度が変化しにくいように改善する働きがあります。これにより幅広い温度範囲で安定した潤滑性能を発揮できるようになり、オールシーズン向けの製品にも効果的です。
クラレの熱可塑性エラストマー〈セプトン®〉1000-シリーズは、SEP(polyStyrene-polyEthylene/Propylene ジブロック)構造により、鉱物油に添加した際に優れた透明性と良好な流動性を有します。また、熱安定性が高く、低温特性にも優れていることから、増粘剤、粘度指数向上剤としての利用に適しています。〈セプトン〉1000-シリーズの他にも、〈セプトン〉各グレードや〈クラレ液状ゴム〉も有用です。クラレの製品は、主に工業用油、エンジンオイル、トランスミッションオイルなどに使用されています。
特長と強み
- 鉱物油、合成油の粘度指数向上剤、増粘剤に好適
- 狭い分子量分布による優れたせん断安定性
- 低いガラス転移温度とアモルファス構造による優れた低温特性
- 水素添加による高い熱安定性
- 省燃費、長寿命エンジンオイルにも対応
5Gと電気通信(チキソトロピー性を持つゲル)
5Gやその他通信分野全般で、安全で安定した通信性能を確保するために、通信ケーブルの保護が重要です。通信ケーブルや光ファイバーなどの内部へ充填するチキソトロピー性充填剤は、ケーブルの保護において重要な役割を担っています。
チキソトロピー性充填剤は、静止状態では流動せず、せん断などの機械的負荷を受けると一時的に液化します。これにより、繊細な光ファイバーに引張力や圧縮力ができるだけかからないようにしつつ、光導波路を外部の衝撃から守り、通信ケーブルの寿命を延ばすのに貢献します。また、充填剤は光導波路とシースの間への水の浸入を防ぎます。
このようなチキソトロピー性を持つゲルの製造には、〈セプトン〉1000-シリーズが好適に利用できます。〈セプトン〉 1000-シリーズを用いることで、優れた低温挙動、低せん断速度での優れた加工性、静止時の適度なゲル硬さなどの特性を有する、チキソトロピックオイルゲル製造を実現します。
特長と強み
- 鉱物油、合成油の粘度指数向上剤、増粘剤に好適
- 狭い分子量分布による優れたせん断安定性
- 低透湿性、低吸水性による止水機能
- 低い誘電率/導電率
掘削液
掘削液には、石油・ガスの掘削や探鉱など、井戸を掘る際に掘りくずを井戸の外に運び出す役割があります。他にも、地層の流体が流れ込まないように静水圧をかけ、掘削中にドリルビットを清潔に保ち、冷却するといった役割もあります。〈クラレ液状ゴム〉は、レオロジー特性や機械的特性等の掘削液の性能を高めることが期待できます。
特長と強み
- 低いガラス転移温度とアモルファス構造
- 優れた低温特性
- 優れた潤滑性
- 機械の摩耗を抑える
- オイルの粘度指数向上剤、増粘剤として使用
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