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森下 義弘
エラストマー事業部
マーケティング担当

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粘度指数向上剤とは何でしょうか?

粘度指数向上剤(VII)は、粘度向上剤または粘度調整剤とも呼ばれ、使用可能な全温度範囲において作動油/潤滑油の粘度を調整するポリマー添加剤です。明確にするために記すと:粘度指数向上剤は、必ずしも粘度を上げるものではなく、むしろ温度変化による影響を少なくして、潤滑油の粘度を安定させるものです。

工業分野の実務者にとって残念な事実:鉱物油系の潤滑油は、高温になると効果がなくなることがあります。これは、熱によって潤滑油の粘度が低下し、潤滑膜を形成する能力が低下するためです。

しかし、ここでまさに粘度指数向上剤の出番となります。

低粘度潤滑油に粘度指数向上剤を添加すると、温度上昇に伴う増粘効率が向上し、より広い温度範囲で潤滑効果を維持することができます。このように、潤滑油はそれが使用可能な温度範囲内において、確実に機器を保護することができます。

粘度指数向上剤

知っておくと便利なこと

粘度指数

粘度指数とは 、特定の温度範囲における潤滑油の粘度変化の度合いを表すものです。そして、その潤滑油に適した温度や用途範囲の情報を提供します。この値が大きいほど、温度による粘度の変化が少ないことを示します。

良いVIIの特徴とは?

優れた粘度指数向上剤は、効率的な増粘とせん断応力に対するポリマーの安定性のバランスが特徴です。

知っておきたいこと:油の増粘には、分子量の大きいポリマーの方が適しています。しかし、せん断応力に対する安定性は通常低いものになります。

高せん断応力下では、低分子量のポリマーが有利です。欠点は、より多くの添加量が必要なことに加え、高温域での粘性向上があまり期待できないということです。

一番良いところを知りたいですか?クラレは、粘度指数向上剤市場向けの新製品開発を可能にする幅広いポリマーを取り揃えています。弊社の専門家が、粘度指数向上剤の用途に最適なポリマーの選定や技術資料の提供などを喜んでサポートいたします。

工業用オイル

粘度指数向上剤のメリット

ここでは、粘度指数向上剤のさまざまな用途における効果について見ていきましょう。エンジンオイルや掘削液は、広い温度範囲で使用されます。VIIは、従来必要とされていた頻繁なオイル交換を不要にしました。粘度指数向上剤を配合した潤滑油は、寿命が長く、処理が容易になります。機械の寿命が延び、消費電力が減ることで、生産コストの低減につながります。

つまり、粘度指数向上剤は、性能を高めつつ、コストを下げる可能性があると言えるのです。

VII添加剤を使用したオイルは高価ですが、耐用年数の延長、生産効率の向上、サービスコストの削減により、このコストを相殺することができます。

粘度指数向上剤のデメリット

粘度指数向上剤のデメリットについて触れておきます。欠点としては、機械的なせん断力に弱いことが挙げられます。せん断力が大きくなると、高温域での粘度が低下します。特により分子量の大きいポリマーは、クランクケースやエンジン内の機械的なせん断力によって、その効果が低下したり、失われたりすることがあるため、その影響は大きくなります。

用途

汎用性が高い:粘度指数向上剤は、高温と低温が交互に繰り返され、常に高い保護性能と信頼性の高い潤滑性が求められるさまざまな用途で使用されています。

主な用途は潤滑油の分野で、粘度調整剤はさまざまな種類の工業用オイル、潤滑油、グリース(リチウムグリースを含む)の調合に使用されています。この分野の用途のひとつに、高い熱安定性が求められるエンジンオイルがあります。

工業用グリース

潤滑油 およびグリース用の粘度調整剤 ・ 粘度向上剤

潤滑油やグリース用の粘度調整剤と粘度向上剤は、添加剤として高温域や低温域での粘度変化を抑える働きがあります。鉱油系潤滑油やグリースは、粘度指数向上剤と組み合わせることで、広い温度範囲でより効果を維持することができます。

低粘度液の添加剤として、潤滑油やグリース用の粘度調整剤と粘度向上剤は、より広い温度範囲で信頼性の高い潤滑性を実現する調合となります。

クラレのオイル改質分野でのソリューションには、掘削泥水(掘削液)用ポリマーがあります。

オイル用の粘度調整剤は、石油や天然ガスの掘削作業など、いくつかの市場で数多くの用途があります。

電線・ケーブル用粘度調整剤

〈セプトン®〉は、ケーブル充填剤やケーブル絶縁体の性能を向上させる粘度調整剤として使用することができます。

粘度調整剤は、ケーブルの保護と耐久性を高めるためのゲル充填材に使用されています。

化粧品用粘度調整剤

ご存じでしたか?化粧品でも、粘度調整剤や増粘剤などの添加物は有効です。〈セプトン〉を添加することで、化粧品の粘度を調整することができます。

粘度調整剤は化粧品にも使われています。

粘度調整剤の例

クラレの粘度調整剤は、幅広い温度変化でも特性を維持し、潤滑油の粘性を保ち、潤滑膜を形成します。

〈セプトン〉

〈セプトン〉シリーズのスチレン系熱可塑性エラストマーは様々な方法での加工が可能です。一部の銘柄はグリースやオイルの改質などの分野で使用されています。

〈セプトン〉は、良好なせん断安定性を有するため増粘剤として優れた機能性をもたらします。この粘度指数向上剤(VII)はまた、耐熱性に優れ、高圧下でも機能します。

〈セプトン〉は、建築用シーラントや接着剤によく使用されています。

〈セプトン〉の特長と効果

  • オレフィンコポリマー(OCP)に比べ、低温(20℃以下)でも高いVI*と低い粘度を持ちます。
  • 良好なせん断安定性
  • 分子量分布幅が狭い

*粘度指数(VI)が高いほど、温度によるオイルの粘度変化が少ないことを意味します。高温時には、〈セプトン〉はオイルの粘度を維持し、油膜を形成することでエンジンの摩耗防止に貢献します。低温域では、〈セプトン〉が粘度上昇を抑制し、燃費を向上させます。根拠:一方では、温度によってポリマー鎖の広がり方に違いがあります。他方、〈セプトン〉のポリスチレンブロックの凝集は、高温域・低温域での粘性に寄与しています。

クラレ液状ゴム

〈クラレ液状ゴム〉は粘度指数向上剤としても優れています。クラレは、イソプレン、ブタジエン、スチレンをベースとしたユニークで幅広いグレードを提供しています。

〈クラレ液状ゴム〉を粘度調整剤に使用することで、より高いオイルの規格に適合させることができます。

〈クラレ液状ゴム〉は、幅広いモビリティ用途に使用されています。

特徴・タイプ

  • 高分子量
  • 液状ブタジエンゴム(L-BR)
  • 液状イソプレンゴム(L-IR)
  • 液状スチレンブタジエンゴム(L-SBR)
  • 官能化グレード
  • バイオ由来原料を用いたグレード

製品カタログ

〈セプトン〉

製品カタログ

〈クラレ液状ゴム〉

ビジネスに関するお問い合わせ

クラレの粘度指数向上剤の詳細については、〈セプトン〉と〈クラレ液状ゴム〉の製品カタログをPDFでダウンロードできます。

粘度調整剤に関するお問い合わせがございますか?クラレの担当者にご連絡いただければ、私たちの豊富な専門知識をご活用いただけます。

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